今回は厚生労働省の”平成28年介護サービス施設・事業所調査”のデータを使って、どのような疾患を抱えている人が訪問看護を利用しているのか、また、どんな看護や医療処置を受けているのかをご紹介します。 | |
訪問看護利用者総数の傷病分類
どのような疾患を抱えている人が訪問看護を利用しているのでしょうか。
医療保険と介護保険の利用者を合わせたデータがこちらです。
循環器系の疾患(心不全など)、神経系の疾患(パーキンソン病など)、精神及び行動の障害(認知症など)が特に多いのがわかります。
医療保険法による訪問看護利用者の傷病分類
次に、医療保険で訪問看護を利用している人のみを見てましょう。
総数でのグラフとは大きく内容が異なっています。
まず、総数で圧倒的に多かった循環器系の疾患が4位となり、神経系の疾患、精神及び行動の障害、新生物(がん)が多くの割合を占めています。
そして、総数ではその他に含められていた、周産期に発生した病態がランクインしているのも医療保険利用者の特徴だと思います。
医療保険と介護保険の訪問看護の利用者数は、だいたい3:7くらいなので、総数はかなり介護保険に影響を受けた割合になっていると考えられます。
介護保険法による訪問看護利用者の傷病分類
介護保険で訪問看護を利用している人のみはこのようになります。
やはり、総数のグラフと似た感じになっています。
医療保険での訪問看護利用者との違いは、筋骨格系の疾患を抱えている人が多いことだと思います。
これは、介護保険で訪問看護を利用する人は、一つの大きな病気で看護ケアを要しているというよりは、加齢によって筋力が低下したり、骨がもろくなったりして、看護での管理が必要になる人が多いためだと考えられます。
看護内容
次は、訪問看護利用者(医療保険と介護保険の総数)にどのような看護が提供されているのかを見てみましょう。
病状観察はほとんどに行われており、療養指導やリハビリテーションも多くで行われているのがわかります。
*訪問看護ステーションでは、理学療法士が訪問看護ステーションの一員として”訪問リハビリ”を提供することが可能です。リハビリテーションが多いのはこれも関係していると考えられます。
医療処置
訪問看護利用者(医療保険と介護保険の総数)に提供されている医療処置はこちらの通りです。
服薬管理・点眼等の実施がとても多く行われていることがわかります。
また、様々な医療処置が幅広く行われていることも見て取れます。
さいごに
以上、どのような疾患を抱えている人が訪問看護を利用しているのか、また、どんな看護や医療処置を受けているのかをご紹介しました。厚生労働省の介護サービス施設・事業所調査は毎年行われています。今後とも最新の情報を更新していく予定ですので、ぜひチェックしてください。